モデルコース
八代城跡を実際に歩いて体感するコース

現在、私たちが目にしている石垣は、八代城の本丸だったところで、元和元年(1622)に加藤家筆頭家老の加藤正方が築いたものです。
かつて本丸を囲む内堀のまわりには、二の丸、三の丸、北の丸があり、その外側には出丸がありました。城の規模は南北に811メートル、東西に1,477メートルにわたりました。城下町には薩摩街道が通り、前川沿いには惣構えの石垣もありました。八代城は海陸の交通の要衝に立地する堅固な城であったことがわかります。
「日本続100名城」にも選定され、全国的にも高く評価されている八代城の規模を、実際に歩いて体感してみてください。
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八代市役所
約5分 -
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八代城本丸跡 (八代宮境内)
八代城は、元和5年(1619)の地震により、麦島城が崩壊したため、熊本城主加藤忠広(清正の子)が幕府の許可を得て、家老の加藤正方に命じ、同6~8年にかけて球磨川河口北側の松江村に築城した平城です。
寛永9年(1632)改易となった加藤家の改易により熊本城主となった細川忠利の父忠興(三斎)が入城し、北の丸を居所として本丸に四男の立孝(立允)を居住させました。正保2年(1645)閏5月に立孝が、続いて12月に三斎が没したため、翌3年(1646)家老松井(長岡)興長が入城し、以後は代々松井氏が在城しました。落雷による焼失や明治維新後の取り壊しがあるも、本丸の石垣と内堀が残り、本丸跡に懐良親王をまつる八代宮が鎮座しています。
中世の古麓城、安土桃山時代の麦島城、江戸時代の松江城(現 八代城跡)と3つの時期に分かれる城が残り、2014年「八代城跡群(やつしろしろあとぐん)」として、古麓城跡・麦島城跡と併せて国の史跡に指定されました。2017年には、続日本100名城にも選定されています!約5分 -
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八代城二の丸跡
八代城本丸の東から南東に配置された二の丸には、町奉行が政務を行った会所や学問所(伝習堂)、武芸練習場(教衛場)、馬屋、作事所などがおかれました。現在や、八代市役所本庁舎や熊本総合病院駐車場になっています。
病院駐車場南側には、石垣の一部が残っており、堀の跡が細い水路となって東西に残り、わずかにその名残をとどめています。約5分 -
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八代城三の丸跡
三の丸は、城主松井家の重臣の屋敷や御用米を貯蔵する蔵(永御蔵)がおかれていました。今も三の丸の外側の堀跡を示す水路が残っています。三の丸にあった「永御蔵」の門と番所は、古麓町の春光寺に移築され、現存しています。
約5分 -
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澤井家住宅及び長屋門
八代城下で現存唯一の武家屋敷
このあたりは、八代城下の西の一角に位置し、西小路と呼ばれ、上級武士の屋敷が並んでいたところでした。澤井家住宅及び長屋門は、八代城下に現存する唯一の武家屋敷として市の有形文化財に指定されています。住宅の奥にある二階建て部分は慶応元年(1865)の建築です。門は長屋門と呼ばれる形式で、中で馬を飼っていました。
澤井家は、室町時代から将軍足利家に仕え、その後、細川家に仕えるようになり、元和7年(1621)6月、細川三斎の六男岩千代が松井家2代興長の養子(3代寄之)となったとき、澤井正重が松井家に派遣されました。実は正重の叔父元重の娘さいが寄之の実母だったからです。以来、松井家とともに小倉、熊本、八代と移り住み、御用人や奉行などの要職を務めました。約5分 -
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八代城北の丸跡
細川三斎が晩年を過ごした場所
八代城の北側に位置する北の丸は、はじめ加藤正方が母妙慶禅尼の隠居所を建て、加藤家改易後は、細川三斎がここに数寄屋と池を築き、庭園整備を進めたとされます。さらに、松井家がこれを継承し、全体に簡素ですっきりとした庭園になっています。
名木「臥龍梅」は、三斎自ら植えたと伝えられます。松井神社は、松井家初代康之と二代興長を祭神として、明治14年(1881)に創建されました。
戦国乱世を生き抜き、妙見祭を再興するなど、八代の歴史と文化に大きな影響を与えた細川三斎が晩年を過ごした地として、もっと知られるべき場所です。約5分 -
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八代市立博物館未来の森ミュージアム(改修工事のため休館中)
休館中は、館外で学芸員による講座活動を行っています。博物館ホームページの「講座・講演会」のページをごらんください。
当館は、1991年(平成3年)10月開館。くまもとアートポリス参加作品。設計したのは世界的建築家伊東豊雄氏(米プリッカー賞受賞者、新国立競技場B案デザイン)。無料エリアであるエントランスホールでは、ユネスコ無形文化遺産「八代妙見祭の神幸行事」の江戸時代の姿を再現した人形模型が、八代の歴史と文化を特徴づけます。
常設展示では、八代城主を勤めた松井家伝来品や、八代焼(高田焼)や肥後鐔、宮地和紙、染韋(そめかわ)などの美術工芸品、古墳や城跡からの出土品、妙見祭資料、八代城跡模型、各時代の歴史資料など、過去から現代に至る八代の歴史と文化をさまざまな角度から調査・研究し、展示活用しています。再開館は、令和8年度の予定です。どうぞお楽しみに。
※令和6年7月1日~改修工事のため長期休館(再開館は令和8年4月以降を予定)